現代エジプト政治 : ナイル川最下流に位置する国の水資源獲得の行方

現代エジプト政治 : ナイル川最下流に位置する国の水資源獲得の行方

 

【あらすじ】
世界最大級の国際河川ナイル川。水源とする北東アフリカ地域は11カ国(エジプト、スーダン、南スーダン、エチオピア、エリトリア、ウガンダ、コンゴ民主共和国、タンザニア、ケニア、ブルンジ、ルワンダ)。上流や下流地域のそれぞれの国の思惑、エジプト国内外における治水・利水・水資源分配問題の行方、「アラブの春」以降のエジプト国内動向、上流国エチオピア・グランドルネッサンスダム建設の騒動まで、現代エジプトの水をめぐる政治に深く迫る。

【内容】

序章
第1章 現代エジプト政治の概観
1.中東のエジプト
2.ナセル大統領 1952-1970年
1ナセル主義とその政策
2農地改革
3第3次中東戦争とナセルの名声
3.サダト大統領 1971-1981年
11974年:門戸開放政策
2門戸開放政策の諸影響
3親ソから親米へと変わる外交方針とその思惑
4政府と国民の契約:パン騒動
5複数政党制の導入による政治的自由化
6サダト大統領の暗殺
4.ムバーラク大統領 1981-2011年
1構造調整計画
2ムバーラク政権下の財政と外交の関係
3選挙参加の制限とイスラーム主義勢力
5.ポスト「1月25日革命」期のエジプト
1「1月25日革命」後
まとめ
第2章 ナイルで結ばれるアフリカとエジプト
1.水をめぐる政治という視点について
1水の安全保障
2水をめぐる政治の紹介とナイル川流域
3「ナイル川流域」の概略説明
2.ナイル川流域について
1ナイル川の水系 アフリカ大陸中央部から地中海の河口まで
2エジプト国内のナイル川の水系
3ナイル川流域諸国について
まとめ
第3章 水をめぐる政治1~国際政治:「ナイル川流域諸国」の抱える実質的な諸問題と関係史~
1.第1の局面(1920年から1950年代)
11929年協定と植民地支配を軸にしたナイル川流域の形成
21959年協定の批准と上流国の反発
31959年協定の概要
2.第2の局面(1960年代から1990年代)
1上流国の独立と下流国への反発
2上流国の台頭
3ナイル川流域諸国の接近と対立
3.第3の局面(2000年代)
まとめ
第4章 水をめぐる政治2~国内政治:エチオピアのダム建設をめぐるエジプトの国内騒動からみるナイルの政治性~
1.エチオピアのGERD(Grand Ethiopian Renaissance Dam)
2.水利治水政策を担うエジプトの政府機関
3.第1の局面 青ナイル切り替え工事発表2013年5月27日から5月31日
4.第2の局面 6月1日から6月12日
5.第3の局面 6月13日から6月27日
まとめ
第5章 GERD建設をめぐる政治的駆け引き水をめぐる政治3~国際政治:エジプトをとりまく地政学的環境の変化――上流1.国への接近と必然的対立~
1.原則宣言の主旨
2.原則宣言に至る交渉の過程
3.交渉を促した諸要因
4.原則宣言の調印場面からみる3ヵ国の思惑
5.GERDの交渉と原則宣言に関する考察
まとめ

おわりに

巻末資料

 

出版社: 秀麗出版 (2017/5/1)

言語: 日本語

ISBN-10: 4990801954

ISBN-13: 978-4990801953

発売日: 2017/5/1